雪のような

【ゆきのような】形容詞句

使い分けの視点

雪との一致点を白さだけに限定せず、舞い方、音を吸う性質、触れると消える儚さへ広げます。「白皙めく」「陶器の白さの」は肌や物質へ、「音もなく積もる」は変化の過程へ向きます。似る軸と外れる軸を意識します。

同義語

同品詞の類義語

白雪めいた文芸的
粉雪みたいなcolloquial
白皙めく文芸的
純白の

類義句

同品詞の慣用的言い換え

音もなく舞うような文芸的
舞い降りる白さの文芸的
頬で溶けるような文芸的

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

綿菓子みたいなcolloquial
羽毛が降り積もったような文芸的
陶器の白さの文芸的

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

ふわりとcolloquial
音もなく
白く降り敷いて文芸的

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

音もなく積もる文芸的
頬で消える文芸的
舞い散る文芸的

体言的言い換え

用言を体言に変換

純白の絨毯文芸的
白い静謐文芸的

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

息で溶けそうな文芸的
触れたら消えそうな文芸的
音を奪うほど白い文芸的

関連語を探す

語釈エッセイと合わせて読む表現

下の語釈エッセイの論点とつながる言い換え・関連表現です。

白さと冷たさが別々に届くエッセイ関連

例文: 白磁の塔を見上げると白さと冷たさが別々に届き、旅人は雪より硬い印象を抱いた。

一致する軸と、外れる軸——直喩を射影として見る

一九〇四年、スウェーデンの数学者ヘルゲ・フォン・コッホが、いたるところで接線を引けない連続曲線の作り方を示しました。手続きは単純です。線分を三等分し、真ん中の区間を、同じ長さの二辺からなる山に置き換える。できた四本それぞれに同じ操作を施し、無限に繰り返す。正三角形の三辺から始めると、輪郭は結晶に似た形に収束し、コッホ雪片と呼ばれます。この図形では、面積は有限の値に収束するのに、周の長さは操作のたびに三分の四倍になって発散する。有限の紙に、無限の長さの縁が収まっている。

この図形が結晶の名で呼ばれるのは、六回対称と自己相似という二つの性質を持つからです。実際の雪の結晶が六角を基本とするのは、氷の中で水分子が作る結合の配置に由来します。なぜ六角なのかという問いを近代に持ち込んだのはケプラーで、一六一一年に六角の雪をめぐる小さな論考を書いています。結晶の形が気温と水蒸気の量で決まることを実験的に整理したのは中谷宇吉郎で、雪は天から送られた手紙である、という一文が知られています。手紙という比喩がよくできているのは、形が上空の条件を記録している、という物理の内容を正確に写しているからです。

同じ形の結晶は二つとない、という言い方もよく使われます。厳密に証明された命題ではありません。ただ、結晶が成長する経路が枝分かれのたびに条件のわずかな差を残す以上、取りうる形の集合は途方もなく大きく、同じ形が二度現れる確率は無視できるほど小さいと考えられている。ここで比喩の話に戻ります。「〜のような」という直喩は、二つのものの間に距離を設定する操作です。距離がゼロなら同語反復になり、遠すぎれば理解が届かない。適切な距離、という言い方がよくされますが、これは説明としては足りません。距離が一つの数で表せるなら、同じ距離にある喩えはすべて同じ働きをするはずですが、実際にはそうならない。

対象を、いくつもの性質を軸に取った空間の中の点だと考えると、事情がはっきりします。直喩は、ある部分空間へ射影したときに二つの点が重なる、と主張している。残りの軸では重ならない。この不一致が意味を生みます。肌に用いれば、色という軸では重なり、温度と質感の軸では大きく外れる。沈黙に用いれば、少しずつ積もって音を吸う、という振る舞いの軸で重なり、物質かどうかの軸で外れる。一致する軸が一本、外れる軸が複数——この非対称が直喩の骨格です。すべての軸で近ければ比喩ではなく分類になり、すべて外れていれば誤りになる。

だからこの句が陳腐に感じられるとき、原因はたいてい軸の選び方にあります。白いという一本しか使っていない。色の軸だけなら、白磁でも紙でも石膏でも代わりが利き、代わりが利く喩えは読者の記憶に残りません。書いた直喩が働いているかどうかは、その場で確かめられます。重なっている軸を一本、外れている軸を二本、口に出して挙げてみる。外れている軸が挙がらないなら、それは喩えではなく言い換えです。

文: hakadoru.ai 編集部

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