奪う

【うばう】動詞

使い分けの視点

「略奪する」は集団的・組織的な奪取、「強奪する」は暴力や威圧による強制、「かすめ取る」は隙を突く素早さを感じさせます。「手中に収める」は奪う過程より支配下に置いた結果へ焦点が移ります。物だけでなく発言権や時間を目的語にするなら、元の保持者が何をできなくなったかを描くと喪失が具体的になります。

同義語

同品詞の類義語

略奪する文芸的
強奪する
ふんだくるcolloquial

類義句

同品詞の慣用的言い換え

手中に収める文芸的
かすめ取る
巻き上げるcolloquial

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

猛禽のような文芸的
嵐が攫うような文芸的
火事場泥棒のようなcolloquial

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

根こそぎcolloquial
一瞬で
容赦なく文芸的

体言的言い換え

用言を体言に変換

略奪文芸的
強奪
横取りcolloquial

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

かっさらうcolloquial
もぎ取る
掠奪する文芸的

関連語を探す

語釈エッセイと合わせて読む表現

下の語釈エッセイの論点とつながる言い換え・関連表現です。

権限を外すエッセイ関連

例文: 基地の中央システムが船長の権限を外すと、彼女は自船の航路すら変更できなくなった。

取り上げる

例文: 校長が生徒の通信端末を取り上げると、窓側の画面に只の影がいっせいに浮かんだ。

所有者が一人減るとき——「奪う」をアクセス制御で読む

共有フォルダの文書を別の場所へコピーしても、元の利用者はまだ読めます。しかし権限を外し、唯一の鍵を移せば、元の利用者はアクセスできません。「奪う」が含むのは、行為者が得ることだけでなく、以前の保持者が使えなくなる変化です。情報は複製できても、鍵、時間、注意、地位のような資源は排他的になりうる。計算機科学の所有権モデルで見ると、この動詞は取得より、所有者集合から誰かを除く操作へ焦点を置きます。

プログラムの一部には、値をコピーせず所有権ごと移す仕組みがあります。移動後に元の変数を使えなくすれば、二重解放のような不整合を防げます。これは正当な「移譲」ですが、同意や規則がなければ物語上は「奪取」になります。同じ状態遷移でも、認可の有無が評価を変えるのです。王冠を受け継ぐ、盗む、戦で取り上げるという三場面は、最終的な保持者が同じでも、許可、手続き、証跡が異なります。

アクセス権は読む、書く、削除するのように分けられます。発言権を奪われた人物は情報を受け取れても、会議の状態を書き換えられない。自由を奪われた人物は存在を消されるのではなく、可能な操作を制限されます。この見方は抽象的な目的語を具体化します。何ができなくなったのか、誰が権限を変更したのか、回復条件は何かを示せば、「すべてを奪われた」という大きな表現にも検証可能な輪郭が生まれます。

同時実行の問題もあります。二人が同時に最後の切符を取ろうとすれば、確認と更新の間に競合が起きる。片方が在庫を見た直後、もう片方が確保すれば、最初の人は「あると思ったもの」を失います。物語でも、相続、入札、救助の席など、排他的資源をめぐる場面では順序が結果を決める。誰が先に知り、誰が先に確定したかを曖昧にすると、強奪ではなく処理の矛盾に見えることがあります。

そして情報や記憶は、物のようには移りません。秘密を聞き出しても相手の知識は残り、注目を奪えば他者へ向くはずだった時間が失われる。目的語ごとにコピー可能性と排他性を分ける必要があります。能力ベースのアクセス制御では、鍵に相当する権限を誰が持つかが操作可能性を決めます。鍵を盗んでも管理者が失効させれば使えなくなり、複製された鍵なら元の持ち主もアクセスを保つ。物語の魔法の印章や通行証も、譲渡可能か、複製可能か、失効可能かを決めると整合します。監査ログがあれば誰がいつ権限を変えたか追えますが、ログ自体を消す権限まで奪われれば証明が難しくなる。ここに追跡劇や冤罪の条件が生まれます。鍵を持つ者が別人へ貸せるかどうかも重要です。再委譲を禁止すれば権限の拡散を抑えられ、許せば一度の奪取が連鎖します。創作では、取得、権限剥奪、証跡、回復の四段階を考えるとよいでしょう。盗品を返しても信用は戻らず、削除した権限を戻しても失われた機会は戻らない。奪うとは、所有者を書き換えるだけでなく、元の世界へ戻せない履歴を残す操作です。

文: hakadoru.ai 編集部

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