無料・登録不要

貧しい

【まずしい】形容詞

同義語

同品詞の類義語

貧乏な
困窮した文芸的
貧窮した文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

爪に火を灯す文芸的
糊口をしのぐ文芸的
食うにも困るcolloquial

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

痩せた土地のような文芸的
枯れ木のような文芸的
乾いた井戸のような文芸的

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

つましく文芸的
ぎりぎりでcolloquial
細々と

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

食い詰める
窮する文芸的
耐乏を強いられる文芸的

体言的言い換え

用言を体言に変換

困窮文芸的
赤貧文芸的
極貧

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

食うや食わず文芸的
その日暮らしcolloquial
腹を空かせた

関連語を探す

中央値の半分——閾値が分布に依存するということ

相対的貧困という指標は、所得の中央値の半分を下回るかどうかで線を引きます。国際比較でよく使われる定義で、注目すべきは、この線が絶対的な金額として与えられていない点です。ある社会の全員の所得が同じ倍率で増えたとしても、中央値も同じ倍率で動くので、線を下回る人の割合は変わりません。全体が豊かになっても、指標は微動だにしない。この性質を知ったとき指標の欠陥だと思ったのですが、しばらく考えて、欠陥ではなく定義どおりの挙動なのだと分かりました。測っているのは量ではなく、順序の中での位置です。位置を測る道具に、量の変化を検出しろと要求するほうが筋違いだった。

日本語のこの形容詞も、同じように相対的に働きます。ただし数学の定義と違って、閾値を持ちません。どこからが該当するのかを決めないまま、連続量に対して使われる。境界が確定しない述語は、真偽を二値で決めようとすると必ず行き詰まります。所得が一円動いたくらいでは何も変わらないのに、積み重ねればいつか呼び名が変わる。境界の不在は論理の側では厄介な問題ですが、日常の運用ではほとんど困りません。困らないのは、話し手も聞き手も、線ではなく分布の中での位置を共有しているからでしょう。線を引かずに位置だけを指せるという点で、この語は指標より器用に働いている。

そして、この語は所得だけの語でもありません。語彙が乏しいこと、発想の幅が狭いこと、土地の収量が低いことにも使われます。ここで数学の比喩を打ち切るべきかとも思いましたが、むしろどの用法にも共通の骨格が見えます。何らかの尺度が想定され、その尺度の下方に位置している、という形です。尺度そのものは文に書かれない。書かれないまま順序だけが働くので、読者はそれぞれ自分の持っている尺度を当てはめてしまう。同じ一語が、読む人ごとに違う原点で解釈される。

対になる語との関係にも、対称でないところがあります。豊かさの側は上に開いていて上限がありません。もう一方の側にはゼロという下限がある。所得の分布が右へ長い裾を引き、平均が中央値より上に来るのはこのためです。物語の設計に引きつけると、この有界性は扱いにくさとして現れます。下限に達した状態はそれ以上動かせず、変化が書けない。飽和した状態は、それ自体としては一度しか描写を許さない。二度目に書かれた同じ状態は、進行ではなく停滞として読まれます。

動かすには、尺度のほうを差し替えるしかありません。金銭の軸で底に達している人物が、関係の軸や言葉の軸では別の位置にいる。複数の順序を重ねると、単独の軸では見えなかった動きが出てきます。逆に、絶対量を数値で書いてしまうと、読者は自分の中央値と照合して勝手に位置づけ、書き手が意図した相対位置は伝わりません。伝わるのはいつも、線からの距離ではなく、すぐ隣にいる誰かとの差のほうです。

エディタで直接置換して執筆を加速

SaaS エディタではシソーラスの結果をワンクリックで本文に反映できます

無料で始める →