要するに

【ようするに】接続詞

使い分けの視点

「要するに」は、長い説明から要点を取り出すと宣言する接続表現です。「つまり」は口当たりが軽く、「畢竟」は文語的、「ぶっちゃけ言うと」は人物の砕けた声を強く出します。宣言のあとが長ければ効果を失うため、後続を短く言い切れる場面で使います。

同義語

同品詞の類義語

煎じ詰めれば文芸的
結論として
つまり
まとめるとcolloquial

類義句

同品詞の慣用的言い換え

突き詰めれば文芸的
簡単に言えば
ざっくり言うとcolloquial

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

畢竟文芸的
煎じ詰めるところ文芸的
ぶっちゃけ言うとcolloquial

関連語を探す

語釈エッセイと合わせて読む表現

下の語釈エッセイの論点とつながる言い換え・関連表現です。

接続の癖エッセイ関連

例文: 探偵は接続の癖から匿名の脅迫状を書いた人物を絞り込んだ。

宣言は要約ではない——接続詞を数えるという推敲

日本語の書き言葉を大量に集めて語の頻度を数えると、上位に並ぶのはほとんどが助詞と助動詞です。最も多いのは「の」で、以下も機能語が占めます。順位と頻度をかけ合わせるとおおよそ一定になるという Zipf の観察はここでも成り立ち、上位の数十語だけで全体のかなりの割合が埋まる。裏返せば、大多数の語は数えるほどしか現れません。語彙というのは、そういう極端に偏った分布として存在しています。

同じ Zipf の名で呼ばれるもう一つの観察があります。よく使われる語ほど短い、という傾向です。頻度の高い語は口のなかで削れていき、めったに使われない語は長いまま残る。この視点で接続表現の棚を眺めると、四拍を超えるものが妙に多いことに気づきます。長さが残っているということは、そこまで頻繁には使われてこなかったということでもある。摩耗していない語は、使うたびに姿がはっきり見える。便利さと目立ちやすさは、この分布のうえで裏表になっています。

偏りは、書き手にとってかなり実用的な含みを持ちます。頻度の低い語ほど、二度目に現れたとき読者に気づかれる。四拍を超える接続表現は当然その裾のほうにいるので、一話のなかで二度使えば、もう反復として認識される水準です。手垢という言い方で呼ばれているものの一部は、印象の問題ではなく出現間隔の問題でしかない。同じ語が短い距離のなかで再び出れば、内容と無関係に読者の注意はそこへ向かいます。

数えられるのは回数だけではありません。要約を宣言する接続詞は、後続の一文にかなり強い制約をかけます。宣言したからには短く言い切らねばならず、直後の文が長くなれば、宣言そのものが裏切られたように読まれる。だから測るべきは出現位置と、その直後に置かれた一文の字数のほうです。原稿から拾い出して直後の一文だけを並べてみると、宣言のあとに元の説明と変わらない長さの文が続いている箇所が、たいてい何ヶ所か見つかります。話し言葉ではこの裏切りがもっと頻繁に起きる。

自分の原稿に同じ計量をかけるのは難しくありません。書き上げた数話分を連結して、接続詞の類を機械的に数えるだけで、個人の癖は数字として出てきます。文体計量の分野では、著者を推定する手がかりとして内容語ではなく機能語の頻度が使われてきました。連邦党員文書の著者問題を統計的に扱った古典的な研究が、その代表として知られています。何を書くかより、どうつなぐかのほうに個人差が出るという事実は、推敲の的をかなり絞ってくれる。

語りの機能としては、もう一段の判断が要ります。地の文でこの接続を使うと、語り手は読者より少し高い位置に立つ。読者がまだ整理できていないという前提で、代わりに整理してみせる姿勢だからです。会話文のなかに置けば、それは人物の性格になる。地の文と会話文——同じ五拍が、文体の癖にも造形にもなる。だから数えるべきは回数だけではない。どちらの器に何回入れたか、その内訳のほうだ。

文: hakadoru.ai 編集部

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