すると

【すると】接続詞

使い分けの視点

「すると」は、文の中では条件を結び、文頭に立てば前の文全体を受けて次の出来事を導きます。接続詞としての使いどころは、直接の原因というより、発見や知覚の更新、予想外の出会いを示したいときです。連発すれば出来事が仕掛け箱のように次々開いて、語り手の驚きが均一になります。一度だけ置いて、二文のあいだに何が変わったかを書いてください。因果か、時間か、視点の移動か——選ぶのはその三つのどれかです。

同義語

同品詞の類義語

そこで
やがて
ほどなく文芸的
途端に

類義句

同品詞の慣用的言い換え

それを機に文芸的
それを受けて文芸的
それと同時に

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

やおら文芸的
おもむろに文芸的
刹那文芸的

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語釈エッセイと合わせて読む表現

下の語釈エッセイの論点とつながる言い換え・関連表現です。

そうするとエッセイ関連

例文: 生地は、十分に休ませた。そうすると、窯の順番が来る。パン屋の手順は、短い条件文の連鎖でできている。

そのときエッセイ関連

例文: 電話が鳴った。そのとき、彼女はりんごの皮をむいていた。あとから思い出したのは、電話の内容より、手にあった果物の重さだった。

条件節から物語の次頁へ——「すると」の文法

ボタンを押すと、扉が開く。この文の「と」は、前件が成立すれば後件が生じるという条件関係を作ります。前に置かれた「する」は動詞で、操作内容を受け持つ。一方、「男は振り返った。すると、扉が開いた」と文頭に立つ形は、前文全体を受けて次の出来事を導く接続詞として働きます——文字列は同じでも、節の内部にあるか、二文の境にあるかで文法的な身分が違います。前者では「春になると花が咲く」のような一般的・反復的な関係にも使えます。後者は物語の一回的な出来事を順に提示しやすい。構文上の位置が、条件の規則性と叙述の継起を分ける手掛かりになります。

条件の「と」には、後件へ命令や意志を置きにくい傾向があります。「駅に着くと電話してください」は標準的な条件表現としては不自然になりやすく、「着いたら電話してください」が自然です。「と」は、話者が選ぶ行為より、自動的・習慣的に生じる結果を示しやすいからです。ただし引用の「と言う」など別の「と」もあるため、表面形だけで規則を適用はできません。小説の台詞で不自然さがあれば、外国語話者の発話や機械的な指示として意図したものか、単なる誤用かを分ける必要があります。文法制約は人物造形にもなりますが、作者の説明なしに伝わる範囲を見極めたいところです。

接続詞用法では、前件が後件の直接原因とは限りません。「窓を開けた。すると、向かいの屋根に猫がいた」では、開窓が猫を出現させたのではなく、発見の機会を作った。時間的な継起、知覚の更新、予想外の出会いが一つの形式に重なります。「だから」へ替えると因果が強まり、「そのとき」なら時間だけが前へ出る。置換によって何が余計に推論されるかを比べられます。主語が前後で変わることも多く、「彼が叫んだ。すると鳥が飛び立った」のように、場面全体が次の主体へ橋を渡します。単一文の項構造を越え、談話の焦点を移す機能です。

句読点も解析を助けます。「すると、」と読点を置けば接続詞らしい切れ目が明確になり、「そうすると」なら手順や推論の条件を前へ出しやすい。「ともすると」は別の定型で、放置すればある傾向へ陥りやすいという意味になります。部分文字列が同じでも、複合表現全体では文法も意味も異なる。長編の検索で「すると」を数えるなら、これらを人手か解析で分類しなければなりません。仮名書きの短い形式は視覚的な境界を示しにくいため、前後の品詞と句点が重要です。読み手は文字列より大きい単位で構文を決めています。

物語で連発すると、出来事が仕掛け箱のように一つずつ開き、語り手の驚きが均一になります。一度だけ使えば、人物の行為を受けて予想外の景色を提示する転換になる。原因を強調したいのか、時間を進めたいのか、発見者の視点を移したいのかを先に選ぶとよいでしょう。条件節から接続詞へ広がった形は、「そうした場合」と「そうした次の瞬間」を近づけます。前件を入力、後件を出力のように扱うだけでは、発見や視点移動は説明できません。二文の間に何が変わったかを描いたとき、短い接続の文法が物語の運動になります。

文: hakadoru.ai 編集部

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