したがって

【したがって】接続詞

使い分けの視点

「したがって」は、もとは「従う」の連用形から育った接続詞で、前の文を根拠として受け、後ろに結論を置く働きをします。因果を自動的に真にするのではなく、結論へ歩く道のりを整える印です。「だから」が話者の感情や判断に寄り、「そのため」が原因と結果を平たくつなぐのに対し、この語は書き手のかしこまった声を保ちます。論や記録の結びにどの硬さの接続詞を置くかで、語り手の立ち位置まで変わります。

同義語

同品詞の類義語

ゆえに文芸的
よって文芸的
それゆえ文芸的
だからcolloquial

類義句

同品詞の慣用的言い換え

そのため
その結果
結論として

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

かるがゆえに文芸的
もって文芸的
なれば文芸的

関連語を探す

語釈エッセイと合わせて読む表現

下の語釈エッセイの論点とつながる言い換え・関連表現です。

ですから

例文: ですから、あの塔には近づかないでください、と案内人は言った。言い切ったあとで、自分の声だけが先に歩いているのに気づいた。

故にエッセイ関連

例文: 前提が崩れた。故に塔は建て直される、と碑文は続ける。刻んだ石工の名は、すでに風化して読めない。

後ろを歩く動詞から——「したがって」の二つの構文

「案内にしたがって進む」では、進む人が案内を基準にします。「雨が降った。したがって試合は中止だ」では、誰かが雨の後ろを歩くわけではありません。前者は動詞「従う」のテ形で、名詞を助詞「に」で受け、後ろの動作へつなぐ。後者は文頭に立つ接続詞として、前の命題から結果を導きます——同じ音形が文内部の述語と文同士の関係を担うため、品詞名だけでなく、何を項として要求するかを見る必要があります。

動詞用法では、主体と基準が存在します。「彼が規則に従う」なら、彼が主体、規則が従う対象です。テ形にすると「規則に従って署名する」のように、基準に沿う状態と次の行為を結べます。漢字表記も自然で、後ろに具体的な動詞が必要になります。接続詞用法では、その項構造が薄れ、前文全体を根拠として受ける。「に」を伴う名詞がなくても成立し、後文が結論の場所を占めます。表記と句読点は二用法の判別を助けます。「指示に従って、退出した」ならテ形の前に項があり、「指示は撤回された。したがって、退出しなかった」なら句点後の接続詞です。仮名書きでも構文は同じですが、漢字の有無が読者の初期解析を誘導します。曖昧な短文では、読点よりも助詞と述語の結びつきを見るほうが確実です。

ただし、この接続詞を置けば因果関係が自動で真になるわけではありません。「彼は背が高い。したがって数学が得意だ」は文法的でも、推論を支える前提が欠けています。文法は二文を結べても、論理の妥当性までは保証しない。物語の語り手がこの飛躍を使えば、思い込みや偏見を描けますが、作者自身の説明で無意識に使えば説得力を損ないます。接続詞は因果を作る機械ではなく、話者が因果として提示する標識です。

語順にも特徴があります。文頭の「したがって、」が典型ですが、「結論は、したがって、未定である」のように挿入されることもあります。挿入位置では論証の硬さが増し、会話ではやや書き言葉らしく聞こえる。「だから」は話者の判断や感情と結びつきやすく、「そのため」は原因と結果を比較的平らに示す。この違いは絶対的ではありませんが、接続詞の置換で語り手の社会的な声が変わります。統語的位置と文体は別々ではありません。「歩いて」「考えて」のような通常のテ形は、動作の順序、原因、手段など多くの関係を文脈へ委ねます。ところが接続詞化したこの形は、結果や結論の関係を前面に出す。もとのテ形が持つ広い接続能力の一部が、談話の水準で専門化したと見られます。同形でも、後ろの節との意味関係が文法的な身分を分けます。

推敲では、前文を一つの根拠として本当に受けられるか確認します。途中に別の話題が挟まれば、何に従った結論なのか曖昧になる。二つ以上の前提があるなら列挙を整え、結論の直前に置くと構造が見えます。動詞だった形が接続詞へ育った歴史を意識すると、前件の後ろを歩くという像が戻ってくる。後文がどの道筋に従ってそこへ着いたかを示せたとき、この語の文法は論理の歩幅と一致します。

文: hakadoru.ai 編集部

エディタで直接置換して執筆を加速

SaaS エディタではシソーラスの結果をワンクリックで本文に反映できます

無料で始める →