さらには

【さらには】接続詞

使い分けの視点

「さらには」は「さらに」に係助詞の「は」が加わり、次に来る項目を話題として取り立て、列挙に山場を与えます。前の項目と尺度が共有されていれば、どれほど大きく、どれほど深刻かが読者に届きます。何を最後に回すか、昇順で積むか、あえて順位を倒錯させて皮肉にするか——計算ごと使う語です。推敲では一度削って、項目順だけで上昇が伝わるか試してください。伝わるなら外して速度を上げてもよいのです。

同義語

同品詞の類義語

加えて
そのうえ
おまけにcolloquial
なおかつ文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

それに加え
のみならず文芸的
あまつさえ文芸的

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

ひいては文芸的
そればかりか
そんでもってcolloquial

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語釈エッセイと合わせて読む表現

下の語釈エッセイの論点とつながる言い換え・関連表現です。

またエッセイ関連

例文: 洪水は橋を流し、また、水車小屋も持っていった。村長は災いを平らに並べ、声の高さだけは変えなかった。

予告エッセイ関連

例文: 記録係は、予告のように次の頁へもっと大きな災いを用意していた。読者はもう、頁をめくるしかなかった。

三段目を持ち上げる——「さらには」で列挙を演出する

「雨が降り、風が吹き、さらには停電した」と並べると、三番目の出来事だけが一段高い場所へ載ります。接続表現の仕事は、情報を足すことだけではありません。読者へ「ここから先は、それまでを上回る」と予告し、受け止める姿勢を作らせます。「さらに」へ係助詞の「は」が加わることで、追加される項目が話題として取り立てられる。その小さな突出が、列挙に山場を与えます——何を最後へ回すかまで含めて使う語なのです。

有効なのは、項目の尺度が共有されている場面です。被害額が増え、地域が広がり、人命へ及ぶなら、深刻さの上昇を追えます。衣装が赤く、帽子が大きく、話し方まで派手だという列挙なら、目立ち方が全身へ拡大する。ところが「机は古く、さらには窓が北向きだ」のように比較軸が見えなければ、なぜ後者を持ち上げたのか読者は迷います。意外さ、重要度、範囲のいずれを増したのか、前後の項目で測れるように設計する必要があります。同じ尺度でも、必ず大きい順に置けばよいわけではありません。最悪の事実を先に示し、後から小さな不便を足すと、緊張がほどけて皮肉になることがあります。沈没しかけた船で「救命艇がない。さらには、紅茶も冷めた」と言う人物なら、順位の倒錯が性格を表す。接続語が約束する上昇と内容の落差も、意図すれば笑いの設計になります。

この語を置いた瞬間、作者は追加を保証します。「さらには。」と切って章を終えれば、次頁により大きな事実が待つという約束になる。そこで平凡な情報しか出なければ、語り手の誇張として読むほかありません。逆に、その誇張を人物造形に利用できます。自慢話の人物が小さな成果を次々に格上げする、広告文をまねる人物が何にでも大仰な段差をつける。接続語の過剰さは、内容以上に話者の評価癖を露出させます。

段落内で何度も使うと、階段は際限なく上がり、頂点が分からなくなります。三項ほどの列挙なら一度だけ置き、それ以前は読点や「また」で平らにつなぐ方法があります。また、最後の項目を短い文にすれば、接続語との重量差が効く。「財布を失った。鍵もない。さらには、靴が片方しかなかった。」では、危機と滑稽さが同時に跳ねます。文長、句点、順番を組み合わせれば、一語へすべての強調を背負わせずに済みます。視点人物が列挙の途中で気づく構成にも使えます。部屋の異常を一つずつ確認し、最後に人影を発見するなら、追加は認識の更新になる。最初から全情報を知る語り手の説明とは、同じ順番でも緊迫の質が違います。列挙する者がいつ知ったかを揃えると、接続語は作者の整理ではなく、その場で進む知覚として働きます。

推敲では、この語を削って項目順だけで上昇が伝わるか試せます。伝わるなら削除して速度を上げてもよい。伝わらないなら、接続語を戻す前に尺度が曖昧でないか点検する。列挙は品物を棚へ並べる作業ではなく、読者の期待をどこまで運ぶかという演出です。最後に置かれた事実が前の項目を読み替え、場面の意味を広げたとき、「さらには」は単なる足し算を越え、物語の焦点を持ち上げます。

文: hakadoru.ai 編集部

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