ほら

【ほら】感動詞

使い分けの視点

注意を向ける語でも、「それっ」「そら」は即時の動作を促し、「見ろ」は強い命令です。「ごらん」「ご覧なさい」は相手へ見る行為を勧め、「見たまえ」は尊大・教師的な口調になります。「言ったろう」「やっぱり」は予測の的中を確認し、「どうだ」は結果への評価を求めるため、対象と会話の主導権を明確にします。

同義語

同品詞の類義語

それっcolloquial
ごらん
見ろcolloquial
そらcolloquial

類義句

同品詞の慣用的言い換え

ご覧なさい文芸的
言ったろうcolloquial

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

やっぱりcolloquial
見たまえ文芸的
どうだcolloquial

関連語を探す

語釈エッセイと合わせて読む表現

下の語釈エッセイの論点とつながる言い換え・関連表現です。

後続が指差しの機能を決めるエッセイ関連

例文: 司令官の短い呼びかけへ命令が続き、後続が指差しの機能を決めることで、兵の視線と動作を同時に動かした。

鉤括弧の中にしか住まない語

小説を全文検索にかけて、ある語がどこに現れるかを数えてみると、分布がきれいに割れる語彙層があることに気づきます。地の文にはほぼ出ず、鉤括弧の内側にだけ集まる語。この相槌もその一つで、地の文に紛れ込んだ場合はたいてい自由間接話法的な処理か、語り手が読者に呼びかけている箇所です。語彙を頻度順に並べる作業をしていると、こういう語は総数だけ見ても正体が掴めません。どこに出るかを見て初めて、機能が見えてくる。

語彙の頻度分布には、順位と頻度がおおよそ反比例するという経験的な規則が知られています。上位に来るのは助詞や助動詞で、意味の薄い機能語が並ぶ。この相槌はそれほど上位ではないにせよ、会話文だけを取り出した集合の中では珍しくない位置に来るはずです。ここで少し引っかかります。高頻度側の語は意味が薄いというのが大まかな傾向なのに、この語は薄い感じがしない。呼びかけ、指差し、催促、確認、記憶の呼び出し——一語でこれだけの用途をこなします。

考え直すと、薄いのではなく多いのだ、という整理のほうが当たっているようです。多義語というより多機能語で、どの機能になるかは後続が決めている。共起を数えれば、その様子はすぐ見えます。直後に読点が来る率が非常に高い。次に来るのが指示や命令の形なら指差し、否定を伴う確認の形なら念押し、過去の出来事の名前なら記憶の呼び出しになる。つまりこの語自体は方向を持たず、後ろの一語か二語と組んで初めて意味の型が確定する。単語というより、定型の入口として振る舞っています。

そう考えると、共起の偏りが強い語ほど、単独では扱いにくいという一般的な事情も見えてきます。連鎖の一部として覚えられている語を、辞書の見出しのように一語だけ取り出すと、内容が空に近くなる。学習者が最後まで使いこなしにくいのも、たぶんこのあたりに理由があります。

数えるという作業そのものにも、この語は小さな罠を仕掛けてきます。仮名二文字しかないため、単純な文字列検索をかけると、無関係な語の一部にまで一致してしまう。洞穴を意味する語や、大げさな話を指す語、動詞の活用形の一部にも同じ並びが現れます。形態素解析器を通して品詞と語境界を確定させないと、頻度表の数字はそのまま信用できません。短い語ほど誤って多く数えられるという偏りは、日本語の計量では避けにくい問題で、上位に並んだ短い語を見るときは常に疑ってかかる必要があります。

創作の実務に引きつけると、注意すべきは総量よりも、誰の台詞に偏るかです。この語を多く与えられた人物は、常に相手の注意の向き先を管理している人物になります。指を差し、目を向けさせ、話題を引き戻す。それが世話焼きに読まれるか、支配的に読まれるかは、他の語彙との組み合わせ次第ですが、いずれにせよ受け身ではいられない。原稿の中でこの語を人物別に数えてみると、自分が誰に会話の主導権を渡していたのかが、意図とは無関係に出てきます。数えるのは一分で済み、結果はたいてい少し意外です。

文: hakadoru.ai 編集部

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