頑丈

【がんじょう】形容動詞

使い分けの視点

「頑丈」は外から力を受けても形を保つ物や身体に向きます。抽象語との意外な共起を狙うなら、何に押され、どう崩れないかの橋が必要です。判定語だけを置くより、蝶番を試す、天板へ体重をかけるなど検査の動作で示せます。

同義語

同品詞の類義語

屈強な文芸的
逞しい
がっしりしたcolloquial
堅固な文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

びくともしないcolloquial
歯が立たないcolloquial
揺るぎない文芸的

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

鋼のような
巌のような文芸的
要塞めいた文芸的

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

どっしりとcolloquial
がっちりとcolloquial
びしっとcolloquial

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

持ちこたえる
耐え抜く
びくともしないcolloquial

体言的言い換え

用言を体言に変換

剛体文芸的
屈強さ文芸的

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

壊れにくいcolloquial
タフなcolloquial
ごつごつしたcolloquial

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語釈エッセイと合わせて読む表現

下の語釈エッセイの論点とつながる言い換え・関連表現です。

外力に耐えるエッセイ関連

例文: 木箱が外力に耐えるか確かめるため、検査官は角から順に重りを載せた。

分布の裾に橋を架ける——共起の外へ出るための条件

古い箪笥の引き出しが固くて、体重をかけて引いたことがあります。木は反っているのに、枠のほうはまるで動かない。そのときこの語が浮かんだのですが、なぜ浮かんだのかは後から考えても判然としませんでした。触った感触が語を呼んだのか、それとも先に語があって感触をそちらへ寄せたのか。順序を確かめる方法が思いつかないので、ひとまず、この語がどんな相手と組みたがるかを並べてみることにします。

体、作り、扉、靴、骨格、造り——並べると輪郭が出ます。物質と、物質として扱われた身体。抽象名詞はほとんど来ません。精神や意志を修飾しようとすると、途端に別の語が席を取りにくる。共起の偏りは意味の制限をそのまま映していて、この語の中核は「外から力を受けても形が変わらない」という一点にあるらしい。形を持たないものは、この述語の対象になれない。

近い語どうしの住み分けを見ると、その一点がもっとはっきりします。丈夫は布や紙、器にまで届きますが、力に耐えるというより壊れにくいという含みが強い。頑健はほぼ身体専用で、外力よりも病に対する強さを言う。堅固は城や陣地、そして意志にも及ぶ代わりに、日常の物にはあまり降りてこない。四つの語は意味の範囲を重ねながら、共起する名詞の集合が少しずつずれている。辞書の語釈を読み比べるより、どの名詞と組めるかを並べたほうが、境界は速く見える気がします。

こうした共起語の分布は、どの語についても似た形をしています。上位のごく少数が全体の大半を占め、そこから長い裾が伸びて、末端には一度きりしか現れない組み合わせが並ぶ。表現の新鮮さは裾にある、としばしば言われます。上位の五語を避ければ月並みを避けられる、という話にもなりやすい。

ただ、この言い方は雑だと思うようになりました。裾に入っているのは新奇な比喩だけではありません。単に解釈できない組み合わせも、同じ頻度帯に沈んでいます。「頑丈な沈黙」は読める。崩れない、押しても壊れない沈黙として、意味の橋が架かる。しかし「頑丈な速度」は読めない。速度には形がないので、中核の一点と接続する経路が立たない。裾に出ること自体には価値がなく、価値があるのは中核から橋を架けられる裾だけです。新鮮さは頻度の低さではなく、低頻度でありながら解釈可能であるという条件付きの性質だった。

直前に来る語にも癖があります。見るからに、実に、いかにも。評価を伝える副詞が付きやすい。これらが付くと、誰かが物を見て判定したという行為が文の中に残ります。副詞を落とせば判定は薄まりますが、消えはしません。形容動詞そのものが、すでに評価だからです。そこまで見ると選択肢は二つに絞られます。橋の架かる裾を一語だけ選んで比喩に使うか、語を捨てて検査の動作を書くか。引き出しを引く、蝶番を指で弾く、天板に肘をついて体重を預ける——読者は動作から性質を復元します。復元させたほうが、判定を渡されるより長く残る。

文: hakadoru.ai 編集部

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